小説家 酉島伝法さんの短編集『オクトローグ 酉島伝法作品集成』を読了。
Twitterでサイン本販売情報に触れ、
書体にただならぬものを感じ、当該情報等、売切情報が相次ぐ中、
まだ在庫されている書店を見付け出し・・ 入手していた経緯。
圧倒的、その唯一無二なる
そのような経緯から酉島伝法さんについては白紙の状態で、辛うじてSFという事前情報を得ましたが
読み始めてみると・・
” 土塊は、口腔内の肉圧だけで細かく砕かれ、消化器官で三千種を超える微生物にまみれた後、後端の肛門から団粒状の糞となって絞り出されていく。
体の芯を絶え間なく貫く荒々しい異物感を堪え続けても、飢餓感が癒えることはない。土塊生物は殆ど含まれていないのだ。”(p14)
といった濃厚さ、世界観濃すぎ ^〜^;A
人類から最もかけ離れし想像力
用いられている語句も、振り仮名が付されていても意味を取れないもの多く、巻末の「解説」によると「(酉島伝法さんの)造語だったのかぁ・・」と。
因みに翻訳家、書評家 大森望さんが書かれた「解説」には、
” 酉島作品と言えば、人間がほとんど出てこないかわりに、なんかグロテスクな生きものがいっぱい出てきて、造語(見たこともないような漢字も含む)が山のようにちりばめられているせいでやたら読みにくく、なにが起きているかよくわからない小説でしょ ー と思っている読者も多いかもしれない。”(p304-305)
とあり、まんまと自分が当てはまってしまう形に。
タイトルに「読了」と掲げたものの、想像力及ばず、
何とも濃いぃ世界には辿りつけず。
なお、本書は酉島伝法さんの三冊目の著書で、既刊本は日本SF大賞を戴冠した他、英訳された海外でも熱狂を導いている模様。読者を選ぶ作風とみられますが、ハマればただならぬ境地に連れていってくれる濃厚さと云えそうです。