文庫となった『真説・佐山サトル タイガーマスクと呼ばれた男』を読み始めて
プロローグ 佐山サトルへの挑戦状
第一章 父親のシベリア抑留
第二章 プロレス狂いの少年
第三章 ガチンコの練習
第四章 『格闘技大戦争』
第五章 サミー・リー、イギリスを席巻
第六章 タイガーマスク誕生
第七章 結婚とクーデター
第八章 電撃引退
第九章 ”格闘プロレス” UWF
第十章 真説・スーパータイガー対前田日明
第十一章 佐山サトルの”影”
第十二章 初代シューターたちの苦闘
第十三章 バーリ・トゥードの衝撃
第十四章 ヒクソン・グレイシーと中井祐樹
第十五章 修斗の訣別
エピローグ ”孤高の”の虎
など(別途、あとがき 他)と章立てされているうち、第六章 タイガーマスク誕生(〜p202)まで読み終えたので、そこまでのおさらい。
「サイン本、当たれ〜」と思っていたところ
その願いが通じ入手していた一冊 ^^
2018 >> 2021 復習&アップデート
原書は、2018年夏に読んでいながら
三年も経とうかというタイミングで、記憶の大部分は曖昧。読んでみて「あっ、そうだった!そうだった!」という感じで進行。
” 世の中では、自分がやったことを手際よく膨らませて、声高に語る人間がもてはやされる。ぼくが描きたいのはその正反対の人間だ。
『真説・長州力』を出版した後、次は何を書くのか、どのプロレスラーだと何度も訊ねられた。
そのとき、ぼくの頭に浮かんだのは、佐山のどこか寂しげな横顔だった。彼は人を惹きつけながらも、孤独の影があった。
自分の理想に拘った佐山は、何度も躓いてきた。彼の周りにこぼれ落ちた砂礫を拾い集めて光を当ててみたいと思うようになったのだ。”(p12)
という本書が書き上げられていく著者 田崎健太さんの出発点から
“「練習をとことんやって試合をやって、猪木さんが風呂に入るときは背中を流して洗濯して・・・ 寝るのは午前様。それを毎日、嫌な顔一つせずやっていた。
本人(佐山)、物事に気がつくんだよ。勘が利くというかね。猪木さんが頼む前に、(必要な物を)持って来たりしていた」”(p110)
と、礼儀正しさに筋の良さからアントニオ猪木選手をはじめ先輩レスラーから可愛がられた修行時代に、
“「最初から、タイガーマスクは猪木さんのためにやっていた。やっぱり弟子でしたし(猪木とは)気が合っていましたからね。
自分の中ではタイガーマスクとして騒がれて嬉しいとかそういうのは全くなくて、新日本プロレスのために一生懸命やっているという感じでした」”(p179-180)
という(初代)タイガーマスク時代のマスクの内側での本音に、改めて幼少期の金曜夜TVに釘付けにされた伝説のプロレスラーが辿った軌跡に、回想が興味深く響いてきています。
当初は601ページに及ぶ厚みに及び腰気味でしたが、快調に3分の1まで進んできたので、文庫化にあたり加筆されたとの
エピローグ をはじめ、新たな学びに今一度振り返るプロレス/格闘技界のレジェンドが辿った足跡が楽しみです。