ここ数日、明るいニュースの筆頭格というとハリウッド拠点にメイクアップをはじめとして
多彩な才能を発揮しておられるアーティスト辻一弘さんのアカデミー賞(メイクアップ&スタイリング部門)受賞。
受賞直後、「18歳を過ぎたら自分の信じた道を突き進み、誰の意見を聞いてもダメ」といったコメントが端緒となり、人物への興味に発展、
そこに丁度良くNHKの番組情報をキャッチして視聴。
4年前(2014年)に放映された再放送で、その時に取材していたことも凄いですが、(一旦)ハリウッドの世界と袂を分かち、
現代美術の世界で世に評価を問うまでの舞台裏に迫った内容で、約1時間見応えのある内容でした。
(評価を問う)作品の対象として選ばれたのはポップ・アートの分野を切り拓いた
アンディ・ウォーホール。
画像、映像などから、アンディ・ウォーホールの内面に迫っていき、
コンプレクスの強さが浮かび上がり、作品としてリアルなアンディ・ウォーホール(の胸像)が製作されていきます。
普段、稀にしか美術館に足を運ばない自分としては製作過程というより、辻一弘さんの人間性に興味を持っての視聴でしたが、
なぜ、人の顔に興味を持つことになったのか(幼少の頃、大人が場面に応じて表情を使い分ける様から、本心に思いを寄せるようになった)、
ハリウッドとの決別(商業主義に傾倒していることへの嫌悪感)など、辻一弘さんの人となりに触れられる構成で期待に沿った内容でした。
アーティストを支える哲学
番組前視聴前から感じていたことですが、(辻一弘さんは)アーティストなのだけれども、
礎には貫かれた考えがあり、それを言葉で表現できる能力もあり、哲学者的な横顔に自分は惹きつけられたのだなぁと。
番組中では日本滞在時の映像に、紹介でも日本に講座を開いているといったお話しがあり、
アカデミー賞受賞で、その機会は減ってしまうのかもしれませんが、チャンスを捉えて生でその生きざまに触れられる機会があればと感じました。