代表作の一つと承知していて、半年ほど前にサイン本を購入出来ていたところ
昨年(2021年)末頃から未読であることが気になり出し、年明け落ち着いたところで手に取った経緯。
ズシンとくる夢と現実を行き交う読後感
6日ほどかけて第一部〜第二部の全475ページを読み終え、本数冊を読み込んだかの読後感 ^0^;
あら筋を巻末の文芸評論家 斎藤美奈子さんの「解説」から引用すると
” 『パプリカ』は「夢/現実」という二つの世界を行き来する物語である。二つの世界をつなぐために、物語にはさまざまな機器が導入されている。
まず夢を映像として取り出すためのPT(サイコセラピー)機器と呼ばれる装置。夢をビデオカメラのように記録し、それをビデオカメラのように記録し、それをビデオモニターのような装置で再生する。夢を可視化する。
・・中略・・
『パプリカ』のもうひとつの重要な仕掛けは、PT機器を使えば、他人の夢にジャック・インしてその中の登場人物にもなれる、という設定だ。”(p478-479)
という根本的な設定のもと、開発中の夢に入り込む機器が主人公 千葉敦子が勤務する研究所から盗難され、所内に所属する人たちの思惑などが絡み展開されていくストーリー。
夢を現実を行き交い、試される想像力
(既述の)特異な設定に、さまざま登場人物の思惑が入り込み、話しに没入していくことは容易ではありませんでしたが、
筒井康隆先生だからこその設定に、展開力だからこその読後感であったろうと。
一読で消化し切れなかった部分は、
映像化の方で補ってみようと。