小説推理新人賞作家 上田未来さんのデビュー作『人類最初の殺人』を読了。
サイン本販売でフラグが立ち
そのインパクトあるネーミングに装丁等から好奇心刺激され、購入に至っていた経緯。
重たいテーマを軽やかに
本書には
人類最初の殺人
人類最初の詐欺
人類最初の盗聴
人類最初の誘拐
人類最初の密室殺人
の六話を収録。
例えば、タイトルにもなった「人類最初の殺人」では
” 一九八四年八月、イギリスの古人類学者、リチャード・コールマンとその妻のルーシーは、ナイジェリアのオショボ北西にある洞窟で、人類の犯罪史を揺るがす大発見をしました。
それは、約二十年前のホモ・サピエンスの男性の化石でした。
その男性の頭蓋骨頭頂部前方には、陥没した筋状の痕が残っていました。・・中略・・
これは、「人類最初の殺人」の証拠だったのです。”(p6-7)
との前段からストーリーが展開。
設定は史実も踏まえられるもアカデミックな方向に振れず、各話読みやすく展開されています。
想像力豊かに・・
六話の中で、日本の飛鳥時代が舞台となり、
遷都の儀での歌詠みに大抜擢された若者が、その重責を果たすべく決死の思いで遷都先の情報を得ようと画策し、盗聴に成功するも、実はその場で暗殺が仕掛けられていたという・・
というあらすじの「人類最初の盗聴」は印象的で、購入後本書に関して厳しめのレビューに目を通して期待値下がっていた?せいか、想像力駆使された展開、思いのほか楽しむことが出来ました。