前回、アップロードした『ハイパワー・マーケティング』中間記の中で取り上げたUSPについて
>> ジェイ・エイブラハムに学ぶ、人生が必ず一変するマーケティング:『ハイパワー・マーケティング』中間記 <<
良いタイミングにつき、普段、学習していたCD(Marketing Mind Master Program)の方からも抜粋して、おさらい。
*なお、USPの概念を最初に唱えたのはロッサ・リーヴス
CDとは、ジェイ・エイブラハムの講義内容をファシリテーターの鳥内浩一さんが(音声で)解説を加えたもの。
USP(ユニーク・セリング・プロポジション)とは
「なぜ、顧客があなたから買う必要があるのか?」という事に対する明確かつ強力な理由。
一言で言うと「あなたのどこが特別なのか?」を説明出来る明確且つ強力な独自の売り。
USPの見つけ方
最も簡単な方法は今、買ってくれている顧客に、選んでくれている理由を聞く。
「何で競合ではなく、自社/自分を選んでくれたか」を聞く事で、
他社にはない独自の売りや思わぬ自社(自分)の強みを気付かせてくれる。それを他の人たちにも伝えれば良い。
他の方法では「私の業界では通常ーーーするが、私はーーーする。」の空欄(ーーー)に当てはめて、
自社/自分のビジネスを表現する事が効果的。ーーーの箇所には、品揃え、スピードなどが入る。
USPを明確にする方法
人は何を求めて商品を購入するのかというと、商品自体を買っているのではなく、
商品を買った結果、一体どんなベネフィット(利益や得)が得られるのか?が、ポイントになっていて
売主がどんな会社/人物であるのかという事に関して、(潜在)顧客は全く関心がない。
顧客は支払いの対価とは別に特別な何かを常に求めている。
顧客が関心を持っているのは、あなたが他の誰にも真似出来ない、
あなただけが提供出来る独自の利点、アドバンテージ、サービス、そして個人的利益などとなる。
あなたは、その商品を通じて、彼らの問題をどの改善(ハンサムにする?、金持ちにする?)出来るのか。
広告、販売において、顧客に対してどのような(上記)可能性を含んでいるかという事に集中して表現すべき。
誰も売主が何をしたいかについて興味を持っていないし、気に留めないという事実から目を背けてはならない。
多くの人は自社/自分のビジネスについて語る時、顧客にとってのベネフィットではなく、
自社/自分の自慢(→商品に恋をするのではなく、顧客に恋をせよ)をしてしまいがちである。
また、多くの人は自社/自分の商品を考える時、特長の表現に留まってしまう。
特長よりも大事な事はあくまで顧客に売主がどのようなベネフィット(利益、得)を提供出来るのかという事。
例えば、語学学校の講師がバイリンガルというのは特長に過ぎず、バイリンガルだから二ヶ国語のコミュニケーションがスムーズに行く、英語がよく身に付く等のベネフィットを語る事。
USPは約束であり、ブランドである。守れない約束をしてはならない。だからベネフィットを守るための裏付けが必要。
証拠がないと口で語っているだけになってしまう。
特長は、あなたがベネフィットを提供出来る事を証明する役割を担う。
ベネフィットと特長、2つの一貫性を保ち続ける事が、マーケットで継続的な競争優位を保つために必要な要素となる。
USPを構成するもう一つの要素
USPの構成要素に「明確なターゲット」もある。
顧客が変われば、求められるベネフィットも変わる。ベネフィットは、顧客に刺さるものでなければ意味を成さない。
ベネフィットを受け取る相手、相手が(最終的に)何を得られるのかを、常に明確にしておく事が重要。
3つの要素に一貫性を持たせ、差別化を図る
ポイントを整理すると・・
・明確なターゲット→誰に
・ユニークなベネフィット→何を
・ユニークな特長→どうやって
を提供する事。そして、それぞれに一貫性を保ち、差別化を図っていく事が重要。差別化は・・
1. ターゲット:
普通の人が狙わない人を狙う(=ニッチに絞る)例:女性専用、男性専用、ペット向け、外国人向け、富裕層向け、ファミリー向け
2. ベネフィット:
1) 品揃え 2) 大きな割引 3) アドバイスとサポート 4) 利便性(立地や豊富な在庫 、迅速な発送など) 5) 最新の商品、6) 迅速なサービス、7) 基本以上のサービス、8) 通常より長期、広範囲の保証、9) 他に考え得る事の全て
これらの中でNo.1を目指す。
2点目として、競合他社が打ち出していないベネフィットを提供する事や業界で満たされていないニーズに応える。
例えば、価格が不透明であったメガネ販売業界で眼鏡市場が均一価格で販売し急成長を遂げたり
住宅販売業界では桧家住宅が工事費を坪単価で明示化した事で業績を伸ばした事などが代表例。
3. 特長:
ベネフィットの差別化を打ち出しづらい時に、特長の差別化を打ち出す事が効果的。
例えば「他店よりも20%美味しい」など、証明出来ない事は差別化につながらない。
この場合、ユニークな特長を打ち出す事で差別化を図れる。1,000頭の1頭しかいないブランド牛肉を使用など。
特長を証明するものには、自社/自分の実績、顧客の実績、ランキング、受賞歴なども効果がある。
また、権威、専門性、認証(国際機関)、学問的バックグラウンド、データなども有効。
更に、自社/自分自身で設けている一流の基準を設けて表現する事は特長を表現出来るものになる。
USPを研ぎ澄まし、マーケットで勝ち抜く
競合にはないベネフィット、特長を如何に作っていけるか。
USPは自社/自分の約束であり、保証(リスクリバーサルなど)のコンセプトを統合する事によって、強力な武器とする事も出来る。
あなたは何によって覚えられたいですか?
USPは、マーケティングの分野以外でも浸透しているようで、例えば個人を表すのに(ピーター)ドラッガー流に表現すれば
「自分は何によって覚えられたいか?」
に通じる内容と思いますが、端的に自己紹介感覚で自分を表現出来るように、
自分を棚卸しする材料に、既述の内容を読み進めても面白いと思いました。