非正規社員に有給休暇で物議
” オーストラリア連邦裁判所が、炭鉱で定期的に働くカジュアル労働者(非正規社員)への有給休暇の付与をめぐる裁判で、労働者の有休取得権利を認める判決を下した。
今回の判決を受け、カジュアル労働者を多く雇用する企業からは今後の責任や事業の先行きを不安視する声が上がっており、
オーストラリア産業グループ(AIG)は判決を覆すため、連邦政府に職場関連法の改定を求めた。17日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。
同裁判は、炭鉱で運転士として働いていたカジュアル労働者のピーター・スキーン氏に有給休暇を与えるべきとして、建設・林野・海運・鉱山・エネルギー労組(CFMEU)が人材派遣会社ワークパックを訴えていたもの。
連邦裁判所は、スキーン氏が日常的に定時で働いていたことを考慮し、ワークパックに対して有給休暇の未払い金2万1,000豪ドル(約169万円)と利息6,700豪ドルの支払いを命じた。
CFMEUのマハー全国書記長は、ほとんどの炭鉱で多くのカジュアル労働者が雇用されているが、「カジュアル」とは名ばかりで、正社員と同様の仕事を同じ勤務時間でこなしていると説明。
今回の判決は、こうした「常在のカジュアル労働者」の雇用形態に終わりを告げるものだと満足感を示した。
一方、採用・コンサルティングサービス協会(RCSA)のキャメロン代表は、「カジュアル労働者は正社員に代わって臨時の仕事を得られるという利点があり、
有給休暇の権利まで得られれば、2重で利益を得ることになる」と指摘。
AIGのウィロックス代表も、「業界の慣行と相反する判決」と述べ、政府に対し、フェアワーク法を改定してカジュアル労働者の定義を明確にするよう求めた。”(出典:NNA ASIA)
働き方は日本でも労使での折り合いが難しく、先の国会でも議論、法制化が与野党で根深く対立しましたが、
立場によって見方が異なるとはいえ、オーストラリアでどのように着地点が見出されるのか、注目されるところです。
オーストラリア ライフスタイル & ビジネス 研究所
上記はFacebookページ「オーストラリア ライフスタイル&ビジネス研究所」の2018年8月20日分の掲載記事です。
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