前回に続いて「セミナー講師に必要な3つの力」で・・
>> 吉田浩さんに学ぶ、夢を叶えるブランディング:「セミナー講師に必要な3つの力」受講記その壱 <<
今回は和田裕美さん。
世界的に英会話教材を販売されている会社で、個人の営業成績142カ国の中で2位という特筆もののキャリアをお持ちで
今回の講演のテーマは「お客さんが心の底からYESになる98%クロージングの秘訣」
著作も多いながら、処女作以来、しばらく営業(セールス)の本は出版されていなかったところ、
最近になって久方ぶりに営業本(下記は別)を近日上梓される予定で
世間が和田さんに期待されている事が、セールスであると認識されたそうな。
そんな和田さんも、英語が好きというだけで職場に飛び込んだ当初は、さっぱり数字が上がらず
フルコミッション(完全歩合)制で収入が貰えず、更に月々の電話代も7,000円を請求される事態から、食えない状況からの打破に向き合わされることに・・
そこで「辞めるにしても悔しいから、結果を残してから辞めよう」と決意。
まず、それまで見ようとしなかった売れている人へ意識を向け、お客さんに電話するのもドキドキという状況ながら
結果を出している同業の人に許可を貰い、レコーダー持参でセールストークを学んだそうな。
また、また、セールスは知識ではなく、体感していくものと実感。更に、その場の雰囲気作りも重要であると実感。
偉業を支えた「ファン作り」の心掛け
「どうやったら(自分が)好かれるかを考えないと、物は売れない。自分はどんな人を好きになっているだろう・・」
との自問を経て、自分の話をよく聞いてくれる人、自分に好意を寄せてくれる人と認識。
また、積極的で前向きである事に加え、
「絶対、明日上手く行くと信じていないと、上手くいかない」との確信から神社に通う習慣まで身に付けるまでの徹底ぶり。
何事もコツコツ続ける事が大事だと。
心構えで変えたのは、上司からアドバイスされた行動量を増やす事と、人からの拒絶を恐れないようにする事。
相手の反応が芳しくない場合でも、それによって自身のテンションを下げてしまったら、その時点でダメ。
内心落ち込んでも、笑顔を絶やさず、主導権を手放さない。
そして何より、心がけた事は「ファン作り」という視点。
人は好きな人から物を買う事から、自分のファンになってもらって、買いたいと思って貰う事。
また、自分の出来なかった事が出来るようになる事が素晴らしいと、成長の過程を楽しんだ。
噛み砕かれた営業のエッセンス
上記から抽出された「売れる営業3つの考え方」が
1. 陽転思考:マイナスの事柄からプラスを発見する能力
2. 単純思考:素直で感情移入しやすく、相手を思いやれる事
3. 感情移入:感動していないとものは売れない
また、
知能:商品知識、情能:情緒能力、意能:プロ意識
の3つの概念であったり、
(お客さんが)「決められない3つの不安」として・・
1. もっと安いものがあったら、どうしよう
2. もっといいものがあったら、どうしよう
3. この担当は、信用出来るだろうか
の点に留意し、絶えず相手の立場になってワクワク、幸せになれる話を実践。
物を売る力は考える力であるとして、何を売っているか、人をどうしたいのか等にも、思考を及ばせる。
自分の商品が素晴らしいと思うように、自分を磨いていき、目の前の人を幸せにする。
和田さんの実感として、人生何日もあると思っている人が多いが、
「明日やろうではなく、今すぐやろう」の心がけで、日々決断する事。
努力から上り詰めた世界2位への道
上記の他で印象的であったのは「バトンナップ」と題された項目で
営業は売った時点で次に移行しがちであるが、お客さんは買った時点からスタートという事。
その気持ちに寄り添う事で、多くのお客さんが新たなお客さんを紹介してくれたとのエピソード。
約50分、大枠の話から細部に至る配慮まで、網羅的に要点をお聞かせ頂けた印象ですが
冒頭に、営業に当たって「人からの拒絶を恐れてしまう」事は経験からよく理解出来ました。
平秀信さんの師匠で、(通称)仙人さんによると、「(拒絶は)20人もやっていれば感覚が麻痺してくる」との事で、
程度の差こそあれ、多くの人が共有出来る心情なのであろうと。
自分の内なる感覚ではなく、営業する商品が如何に相手に良い影響を与えるか、結果をもたらせるか。
これは、全米No1マーケティングコンサルタント ジェイ・エイブラハム の表現で、
「自分の商品に恋をするのではなく、顧客に恋をせよ」
と同義に解釈しましたが、
本質的な事は、人が変わり、場所が変わったとしても、繰り返し出て来るよなぁ〜と。
お名前は長く知っていて、今回が著作を含めて初めての和田さんでしたが、
特別な人が成し遂げた偉業でなし、時間を追って聴衆の心に掴んでいく状況から
普通の人から進化を遂げられたプロセスが、とても印象に残りました。