小説家 渡辺浩弍さんの『中野ブロードウェイ怪談』を読了。
初めての著者でしたが、タイトル及びサイン本販売に
反応して入手していた著書。
本書は、いまや日本国内にとどまらず世界からの観光客をも飲み込む中野駅北口近くに立地する中野ブロードウェイを舞台に
” 古くて新しいこの場所は、また怪奇現象の目撃談や噂話がとても多いことでも知られています。筆者は20年ほど前から、これらの収集と調査に取り組むようになりました。
ここで耳にした怪談や都市伝説について、できる限りその真相を追い、論理的に解明することを試みてきました。
商店街に出現する怪人。地下から聞こえる鐘の音。屋上プールの水面から伸びてくる無数の腕。謎は解明できたこともありますし、追いかけることでさらに別を謎を掘り起こしてしまったこともあります。”(p6-7)
という下地をもとにまとめられた著書。全26話収録されていて、どのような内容かというと・・
” 風水の専門家に聞いたところ、 ・・中略・・
富士山から流れている氣のエネルギーが地下水脈を通って中野のちょうどこの場所で浮上している。中野ブロードウェイという、大地に突き刺さった楔のような建物は、偶然だがそのエネルギーを集めて東京都心全域に発散するレンズのような役割をしているというのだ。”(p26)
と物件にとどまらない、おそらく誰もが感じ(てい)るであろう4階の匂いを巡る都市伝説の解明に、
” 中野ブロードウェイには実に多岐にわたる店舗があり、多様な商品が売られている。
この商店街には、「犯罪でなければどんな商売をやっても良い」という不文律がある。
筆者はここでスペースを確保して何か店を始めてみようと考え、まず商店街の事務所に行った。その時、商店会長の口から出てきたのがこの言葉だった。大変に驚いたことを覚えている。”(p80)
と中野ブロードウェイの現在の姿につながる不文律から生じた
“「中野ブロードウェイのどこかに、人間の体のパーツを売ってるガチャガチャが存在している」”(p83)
と少なからずドキっとさせられる噂話への切り込みに・・
タイトルに冠せられた「怪談」の二文字から霊、お化けに類する話しかと思いきや(既述のとおり)スケールの大きな都市伝説に、然もありなんと感じさせられた巷説への紐解きあり、え〜、、?とさせられる話しを含め中野ブロードウェイに親しみ等、思い入れを持つ人たちには好奇心刺激される一冊であろうと思います ^^