お笑いコンビ 髭男爵の山田ルイ53世さんが、芸能界で一発屋と称されている方々に焦点を当て、
” 一発屋は、本当に消えてしまった人間なのだろうか。否である。
彼らは今この瞬間も、もがき、苦しみ、精一杯足掻きながら、生き続けている。
本書は、自らも一発屋である筆者の目を通して、彼らの生き様を描いていく試み。”(p15)
という『一発屋芸人列伝』を読み始めてから
10名(コンビを含む)紹介があるうちのお三方について読み終えたので、そこまでのおさらい。
本書は出版時から承知していたものの、その時は手が伸びなかったものの
内容への漠然とした興味、サイン本販売という状況に出くわし、購入に至ったもの。
一発当てるまで、そしてそれからの・・
序盤に登場するのは
レイザーラモンHG
コウメ太夫
テツ and トモ
の2名+1組。
この中では、昨年(2017年)トークショー👇に参加していた
レイザーラモンHGさんの生きざまに俄然興味ありましたが、
” 2000年初頭にハードゲイキャラを思い付き、大ブレイクしたのが、2005年。
売れるまでの5年間、彼はハードゲイの研究、情報収集を重ね、キャラを練り上げていく。
・・中略・・
更には、おすぎとピーコ、ピーターの元へも挨拶に赴き、許しを得たという。”(p24)
といった舞台裏に、ブームが去り、プロレスでの怪我で長期離脱を余儀なくされた際の
“「僕が怪我して休業した時は、一切文句も言わず、『じゃぁ、今度は私が働きますわ』って感じだった」
・・中略・・
「長い目で考えたら妻は人生を共にしていく女性・・・ 一緒の人生なので、持ちつ持たれつでええかな、と受け入れた時期があって、
その辺から、別に嫁のポルシェだろうが、嫁のマンションだろうが、全然居心地よくなったかな」”(p30-31)
と実業家に転じられて成功された奥さま(住谷杏奈さん)との秘話に、
他の人を含め、人間の体温というのか温かみが感じられる展開を、読み物として楽しめています。
天下、そして地上での・・
「一発屋」には蔑視的な意味合いも含まれていますが、実態は一発に至らずという方々も多数いる中で、
時代の風を捉え、人々に(長く)記憶されるまでに至った突き抜けた人たちであるわけで、
人生のジェットコースターというのか、短い時間尺の中での環境激変、場合によっては天国と地獄を味わった方たちの体験談にライフストーリーの数々。
一冊を通じて共通した見方を得られるのか、現時点で不明ですが、中、後半に登場する方たち(ムーディ勝山さんと天津・木村さん、波田陽区さんなど)のお話しも楽しみです ^^