南海キャンディーズ 山里亮太さんが、小説に初挑戦した
短編妄想小説集『あのコの夢を見たんです。』を読了。
山里亮太さんの誕生日(4月14日)に開催された(本書)刊行記念イベントで入手していた作品。
実在の人物登場の妄想ストーリーズ
本書は、
” 僕の頭の中だけで開演されていた妄想物語は、誰からも怒られることなく上演され続けていた。
だが、今までひっそり楽しんでいた妄想を公開する場所が設けられた。雑誌『B.L.T.』の連載の話をいただいたのだ。
僕が気になっている女優やアイドルをモチーフに妄想を膨らませて、短編小説を書いてほしい、”(p322)
という経緯があり、広瀬すずさん、土屋太鳳さんなど16名の女優、アイドルが登場。
実名ならではの難しさは「あとがき」で
“「今回はかなりの自信作ができたぞ!」と思っていたら、その物語に本人の感想が、僕の文章にまったく触れることなく自分の近況報告だけだったこともあった。”(p.323)
といった具合で言及され、ほぼ書き直しとなった作品もあったようですが、
” 『カワイイ廃絶法』はさらに悪化の一途を辿る。最終的には男性の感情を少しでも揺さぶるカワイイものすべてが取締りの対象になった。
自撮り画像のアプリ加工禁止。アヒル口禁止。上目遣い禁止。ワンサイズ大きいパーカー着用禁止。両手でラテ持つ行為禁止。小動物をなでるの禁止。そうして、この国からありとあらゆるカワイイが失われていった。”(p057「天使の刀」)
独特の場面設定であったり、或いは
” いずれにせよラッキーでつかんだこのチャンス。相方と全力でがんばらなくては。南海キャンディーズの夢は始まったばかりなんだ。”(p128「アナザーブルースカイ作戦」)
と実話も絡んだ?と思われるお話に、山里亮太さんの頭の中を覗き見ることの出来る内容となっています ^^
現実に妄想(ファンタジー)が入り込んでの
登場するアイドルの殆どを知らず、知っていたのならより深い楽しみ方も出来たかもしれません。
妄想の度合いや濃かったりして、情景を頭(の中)で落ち着かせられない話しも含まれていたものの
一作目の人生に絶望した主人公のもとに突如、隣室の住人が迷い込んでくる「萌」に、
“「あぁ、フラれたい・・・」・・中略・・
あやみはその生まれながらの美貌で黙っていてもヒロインになってしまう存在であるが、中身はどこにでもいる普通の女子高生。”(p228「追いかけたいの」)
と異性にフラれることを切に願う主人公のもとに舞い込んだ「追いかけ屋」を自称する者から届いたメールから展開するストーリーに・・
一作品だいたい20ページ程度の中、日常にちょっとしたファンタジーが入る込んで設定が目立ち、妄想の対象=主人公は知らずとも、短編SF小説的な楽しみ方を出来ました〜