東京大学名誉教授で『バカの壁』をはじめ著作も多い養老孟司先生のトーク&サイン会に参加。
雑誌『地域人』創刊2周年記念として開催されたもので、トークのテーマは「地方創生の根本は何か?」
定刻(19:00)を迎え、ふらっといった感じで養老孟司先生が登壇され、『地域人』渡邊直樹編集長の挨拶等を経てトークがスタート。
感覚を開くことの重要性
日本の問題点は少子高齢化を含む人口減少にあるとして、現在の水準で維持しようとすると日本は無くなってしまうことになり、どこかで変えていかねばならないと指摘。
人が減っていっている背景は「同じ」になろうとする意識が強く、「違う」ことがどんどん遠ざけられていっていることの証左。
予測可能なことが好まれ、予定通りに進まないことは次第に敬遠され、子育ては予測不能、思い通りにいかないことの典型といえる。
全ての関心が自分に集中し、国全体がそのような傾向になっていないか懸念がある。
地方の良さはなぜその場所にあるのか意味が分からない(池、石、草 etc)ないものが点在し、感覚は開くようになること。
逆に、都会は意味が明確なもの(机、本、ベットボトルに入った水 etc)ばかりに囲まれ、意味が分からないものが許容される余地がなくなっている。
なお、養老孟司先生の持論で「日本に田舎はない」とのことで、暮らし方、考え方に地方を意識していくことが肝要。
新鮮で知的好奇心に満ちた養老ワールド
以上、現時点の理解で、上手く言語化できていないもどかしさを感じていますが、外に出て自分の感覚を開く心がけが重要と理解。
大学の講義を彷彿とさせられる堅苦しさ漂うトークを想像していましたが、
そういった要素は皆無で、ざっくばらんな語り口調にユーモアが散りばめられ、1時間超に及び展開されていったトークから時間の経過が早く感じられました。
何より語られる内容、斬り口の新鮮さ、養老孟司さんが醸す世界観が心地良かったです。
養老孟司先生の著作は数あれども、まだ読んだことはなかったことから、次はそちらで独自の世界観に浸ってみたいと思います。