「今さら・・」といった感じながら、映画というカテゴリーを超越し2016年を象徴する『君の名は。』を鑑賞.-
劇場に行って知りましたが、封切り日が8月26日ながら自分が観た回も満席で、
邦画史上最大のヒット作に迫る勢いも頷けましたが、
そこにはリピートさせるといった制作上の意図もあったように思います。
噛めば噛むほどハマるであろう『君の名は。』の世界観
リピートさせるとは、1回で消化し切れない情報量というのか、多重構造というのか、奥深い楽しみ方が出来るように作られていました。
中心となるターゲットは確か10、20代で想定されていたように記憶していますが、
それは客席の様子からも、自分が普段、劇場(シネコン)に運ぶ作品よりは明らかに年齢層が低く、
出だしのストーリー展開が早く感じことから「ついてけるかな、、」なんて不安が過るも、
そこは稀代のヒット作、しっかり中盤を迎えるところで背景を紐解く解説が成されており、
序盤の展開をキャッチアップ出来ずとも、置いてけぼりにしない配慮、かゆいところに手が伸びてきました(笑)
*以下、ネタバレを含みます
緻密な計算、緻密なアウトプット
ストーリーは、夢の中で見ず知らずの遠隔で暮らす男女が入れ替わるという設定のもと、
彗星衝突という壮大で象徴的なエピソードをクライマックスに、時の経過とともに話しがドラマティックに進行していきます。
(作品の中で)現実と想像の世界が交錯し、更には時間軸の往来もあり、
ヒットの正体は、他の作品では経験したことのない感覚に浸らせてくれるところにあると実感しましたが
描かれているヴィジュアルもアニメと実写が入り混じるユニーク且つ高品質なもので
日本の都会なり、田舎が丁寧に描かれており、本作を鑑賞しての「巡礼の旅」がムーブメントとなったことも、よく理解出来ました。
「君の名は。」予告
また、中国、台湾など海外での高評価も特筆されているようで、外国人の受け止め方に興味を抱きましたが、クオリティの高さの証左であるといえるでしょう。
『君の名は。』が映し出す日本の魅力
設定の巧みさに情報量の多さから、一度でその世界観を掴み切れない分、
DVD等のフォーマットが登場した際の大ヒットは織り込み済みの事態であろうと、当面「君の名は。」現象は続くでしょうが
シナリオがしっかり書き込まれている確かさに、日本の良さが随所に落とし込まれており、
当初は「アニメだしな、レンタルになってからでもいいかな」程度で高を括っていましたが
この完成度の高さは、一度は劇場で体感すべき水準であったように思います。